35歳でスキルス胃がんになった。その後。

結婚後、不妊に悩み、病院での治療を決心した矢先、35歳でスキルス胃がんになりました。TS-1の副作用により涙道が閉鎖し、常に涙が目からあふれ出ている状態です。

私がブログを書く理由

人がブログを書く理由

湯水のようにお金が使える有名人やお金持ちは、がんが消える魔法のような最新治療を受けられるんだろうとずっと心の隅で思っていた。
だから、小林麻央さんの治療の経過にはすごく興味があった。
しかし彼女はとうとう最後までどんな治療を受けてきたのか、その経過を明らかにされないまま逝ってしまった。


著名人だから、いろんな事情はあるのだろう。
本人は書きたくても、書けない事情があったのかもしれない。

逆に、過去を振り返って自分の間違った判断を責めたリ、「ああすれば良かった」「こうすれば良かった」と嘆くことに何の意味も感じなかったからかもしれない。
ブログの存在が彼女にとって、とにかく前向きに過ごすための手段なのであれば、最後までその理由を明かさなかったことには納得がいく。


このブログは闘病記にはなれない

私のブログを読んでいる人は一体どんな人たちだろうと時々想像する。
同じような病を抱えている人か、単なる興味本位か、それとももっと他の理由がある人たちなのか。

私は楽しかったことや幸せだったことをこのブログにほとんど書いていない。
そういったものは大切な人とシェアしたり、自分の日記に綴っておけば十分だから、あえてブログという手段で全世界に発信する必要はないかなと思っている。

闘病記とも言えるブログを書いていてつくづく思うのは、自分の病状の経過を延々と垂れ流して書いていくことにどんな意味があるのだろうかということだ。

情報提供としての役割は一部果たせているかもしれないが、がんの性質は一人ひとり異なるし、私に効果があったことも他の人には何の効果もないことかもしれない。
だから、ブログから発信する情報に対して過剰の期待を持たせるものではいけないし、しかもステージ3・4の人からしてみたら、私が今も再発・転移がないまま暮らせていることに関しても、「そりゃそうだよね」という感想しかもたないだろう。
「がんでも毎日ハッピーに、前向きに暮らしてます」って、ランチに行ったり、ネイルに行ったり、どこかに遊びに行ったり…そんなブログを書いても、誰か興味あります?
自分もそうなりたいって励まされます?


この病から教わったこと

本当に大切なものは失って初めて気づく。

私はがんになって初めて気づいたことがたくさんある。
今まで当たり前だったことが、突然失われたとき、それまで気づかなかった自分の気持ちに初めて気が付いた。

退院して家に戻って、夫のYシャツにアイロンをかけたとき、本当に幸せだと思った。
これが私がしたかったことなんだな、とそのとき初めて自分の気持ちに気づいた。

あのまま当たり前の日常が続いていたら、感じることができなかった自分の気持ち。
なんて面倒くさいんだろうなと思ったまま、あと数十年アイロンがけをしていただろう。

ただ「なぜ失う前に気づかなかったのか」とも思う。

私にできること

私は愚かだ。
自分を過剰に責めていじけたり、夫に悪態をついたり…自分でも自分をどう扱っていいのかわからない状態になることがある。
だから読んでくれた人が「元気をもらった」とか「励まされた」という闘病記を書ける自信はない。

唯一私が伝えられることしたら、がんになってしまったことへの怒りや苦しみなんじゃないかと思う。

それを書くことで、私のブログを読んだ人に、あれもこれもとないものねだりをするのではなく、あるいは私のように失ってから気づくのではなく。
今、当たり前のように自分の手の内にある存在・物ごとを、もう一度大切に思ってもらえたらいいなと思っている。



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