35歳でスキルス胃がんになった。その後。

35歳でスキルス胃がんになりました。抗ガン剤TS-1の副作用により涙道が閉鎖し、常に涙が目からあふれ出ている状態です。

『がんになった自分を許す』 自己肯定感を高めたい|スキルス胃がん患者の経験から

身近でがんになる人、がんで亡くなった人を見聞きすることはもう珍しくはない。
しかし、自分がそちら側の人間になるかもしれないということは、元気なうちは中々リアルに想像できないものだ。

がんと診断されて、うつ病になる人は少なくなく、ある調査だとがん患者の15~20%はうつ病にかかるという。突然、自分の生死にかかわる大きな病気が降りかかってきたら、そうなってしまうのも不思議ではない。

今まで当たり前のようにやっていたことができなくなり、諦めなければいけないことも増える。今まで通りの生活を送ることも難しくなる。

がんになってからの私の気持ち

がんが分かってから、とにかく私は自分を責めた。

『家族に迷惑をかけてしまう。申し訳ない。』
『私が自己管理できていないから、がんになってしまった。ダメな人間だ。』
『夫も私がこんなに早く死ぬと思って結婚していないだろう。夫の人生を狂わせてしまった。申し訳ない。』
『両親や義両親に孫の顔を見せてあげられない。親不孝ものだ。』

ずっとこんなことを考えていた。

そして『生きている価値のない人間だから、がんになった。』ととにかく自分を責めることで、がんになってしまった理由を見つけようとしていた。
(※他のがん患者さんに対しては一切そう思っていません。自分自身に対してだけです。)



不妊で苦しんでいたときと同じだった。

『子供を授からなかったのは、私は親になるのにふさわしくない人間だから。』


「相談しましょう」という言葉の無責任さ

こうしたがん患者の心の悩みを解決(和らげる)ために、「信頼できる家族や友人に自分の気持ちを話しましょう」というのが通常の対処法だ。そうすると、自分の気持ちも整理され、落ち着いてくるという。

一度だけ、夫に苦しみをぶつけてみたことがある。
がんが告知され、ステージを確定するための病理検査の結果を待っていた時期のことだった。
自分が手にしていたもの、手に入れたかったもの、すべてを放棄しなければいけないのかと追い詰められていた。

「家のこともなにもできない。家事もできない。仕事もできない。子供も産めない。何の役にも立たない人間になると思う」と私は言った。
そしたら夫は「生きてていてくれれば、それだけで十分だから。」と泣きながら言ってくれた。

夫の優しさが嬉しかった。でも、また夫を泣かせてしまったと後悔した。(夫は本来は強い人だが、私ががんになってから、涙もろくなってしまった。)
そして、そんな風に言ってくれる優しい夫を不幸にしているのは自分だという気持ちがまたムクムクと生まれ、また自分を責めた。

この世の中には困ったことがあると「相談しましょう」という風潮が溢れていると思う。
でも、そんな簡単な話じゃないよなぁと思う。
「一緒に頑張ろう!」と松岡修造みたいに励まされるもの違うし、「うーん、大変だよね…」と一緒に途方もなく悩まれるのも違う。「私も昔〇〇だったけど、なんとかなったから、あなたも大丈夫」なんて、根拠のない前向きさを押し付けられるのも違う。


自己肯定感を高めたい

自己肯定感が低いのは幼少期の育てられ方にあるという人もいるが、それは私のケースには当てはまらない。よく褒められ、おだてられて育てられ、自分のやりたいことをわき目を振らずにやってこれた人生だった。

私が変わったのは結婚後だ。

新築した我が家には子供部屋を2つ用意していた。妊娠もしていないのに、子供貯金なるものも始めていた。親として、子供を迎え入れるためには事前に万全の準備をしておくべきだと思っていた。

しかし、現実が伴わない。どんどん周りは妊娠・出産していく。自分だけが取り残された。焦りが募り、基礎体温も生理周期も乱れ始めた。

そんなとき、同僚が授かり婚をした。相手はいつも仕事が長続きしないと嘆いていた彼氏だった。「母は強し。私が頑張らないとね。」と彼女は明るく言った。
彼女は安定期に入ってから結婚式をあげ、無事ご主人も新しい仕事が見つかったという。子供が生まれてからは、たまに彼女のブログをのぞいて近況を知るのみだったが、彼女の育休明け直前にご主人がまた仕事を辞めたということを人づてに聞いた。そんな折、彼女の第2子妊娠がわかり、彼女は育休から復帰することなく、再度産休に入った。

自分の人生と他人の人生を比べて、強烈な劣等感を抱いたのはこのときが最初だ。
(彼女を自分より下に見ていたからということではない。学生の頃、一週間前からテスト勉強していたのに、一夜漬けの友人の方が良い点数だった…それに似ている。)

子供部屋も用意し、貯金も始めているのに、排卵日に仕事で疲れ切った夫に先に寝られ、声を押し殺して泣いているのが私の人生だ。
無職でもありあまる体力と時間を持ったご主人と簡単に妊娠できる能力を持っている彼女が心底うらやましかった。

彼女とは疎遠になってしまった。
彼女だけではない。子供ができた友人とは距離を置いた。『ご報告』というタイトルを見るのが怖くて、ブログやSNSを見るのもやめた。

私の自己肯定感が壊れたのは、たぶんこんなことが重なったのがきっかけで、がんがトドメだった。


結局は自分で何とかするしかないのでは?

今の私はとにかく自己肯定感を高めたい。「がんになってしまった自分を許して、ありのままの自分を受け入れる」作業をしていきたいと思っている。
「人生は思い通りには進まない」ということは誰しもがわかっていることだと思うが、それと「ありのままの自分を受け入れること」がどうつながっているのかがまだ私には分からないのだ。「人生は思い通りには進まないけど、ありのままの自分でいいじゃないか」という思考がどうやったら得られるのか、それを知りたいと思う。

がん患者やその家族が集う「がんサロン」というものあり、私の住んでいる地域にもいくつか窓口がある。そういったところに相談してみようかと思った。
しかし、私の自己肯定感が崩れたきっかけとなった話…あれをしなければいけない。ネットで顔も見えない誰かに向けて書くことはできるが(読んで不快な気持ちにさせていたら申し訳ないです。憐れな女と思って見逃してください。)、自分の歪んだ思考、澱んだ心のうちを面と向かって話すことには非常に抵抗がある。しかも、その話を子供を三人産んだおばさん(←勝手に設定)に「うんうん」と相槌うたれて聞かれたって、私はちっとも癒されない。

結局は自分で何とかするしかないのでは?と今は思っている。(でも、やっぱり試しに近くのがんサロンに相談しようかともちょっと思っている)
そのために、頭の中にあるいくつかのことを思いついた順に実行していくことにした。


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