35歳でスキルス胃がんになった。その後。

35歳でスキルス胃がんになりました。抗ガン剤TS-1の副作用により涙道が閉鎖し、常に涙が目からあふれ出ている状態です。

TS-1の副作用④【スキルス胃がん】デメリットも引き受けるか、障害とともに生きるか

私は術後の病理組織検査でリンパ節転移が判明したので、再発・転移の予防のため、2016年1月~2016年12月にかけてTS-1という抗がん剤を服用した。

一生体に残る障害に

涙が目から溢れている『流涙』と言う症状と一生付き合っていかなければいけなくなった。
担当医師からも製薬会社からも、「TS-1の副作用で涙道が詰まると、流涙が治らなくなる可能性がある」という事実は一切事前に告げられていなかったという点には非常に不満を持っている。

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ただ、流涙には痛みがあるわけでは無い。ひたすらに煩わしいだけ。

遅かれ早かれ、抗がん剤TS-1の副作用が身体に一生残る障害を引き起こしたと言う事実は受け入れなければいけない。
そして、これから私がこの障害を抱えてどうやって生きていくのかも、考えなければいけない。

もし術後5年間、再発・転移がなく、命が助かったと言えるのであれば、まだ納得ができるかもしれないが、ただ今はまだそのタイミングではないと思う。
怒りや不安を抱えて、これから私はどうやってこの症状を抱えて生きていけばいいんだろう。


TS-1を服用して流涙の症状がでてきたら

TS-1の服用を止めれば流涙の症状が治まるということにはならない。(私はこの点を勘違いしていた。)
だから、TS-1を服用して流涙の症状が出てきたら、すぐに眼科医に相談してほしい。ただ、眼鏡やコンタクトの視力を測ることがメインの町医者では対応できないと思うから、最低でも手術施設のある眼科をお薦めする。

私は最初、近所にある比較的大きめの総合病院に行ったのだが、その眼科医はTS-1の副作用で流涙が起きると言うことに関しては、聞いたことがある程度の知識しかなかった。そのため、涙道を専門とする医師がいる地域医療支援拠点病院へ紹介状を書いてもらうことになった。


流涙の検査と治療法

私の場合、流涙の症状はTS-1の副作用であることが明らかであったので、検査では「どのくらいの詰まりなのか」ということを調べられた。涙管通水検査をいうもので、涙点から生理食塩水を流し、のどに落ちていくかどうかを調べる。大量の水を流されたが、一滴ものどには落ちてこなかった。そのため、完全に涙道は塞がっているという診断をされた。


最も一般的な治療法としては、涙道内視鏡を使って、専用の涙管チューブを挿入し、涙道を再建する『涙管チューブ挿入術』というものがある。
私が受けた手術(途中で中止になったが)もこの方法である。局所麻酔で行えるため、日帰り手術となる。挿入したチューブも外からは見えず、ほとんど違和感も感じないという。2~3ヶ月でチューブは除去し、また涙道が詰まらないかどうか経過観察していく。

私を診察してくれた眼科医によると、この手術の成功率は流涙の症状が出て2~3ヶ月以内の受診であれば8割方、半年以内であれば可能性はゼロではないがかなり厳しいという。私の場合はすでに8か月を過ぎていたから、涙点から先がすぐ詰まってしまい、涙道の痕跡さえもう残ってはいなかった。

ただ、診察してくれた眼科医によると、私のように手遅れになってしまった患者は少なくないという。
やはりTS-1の服用中はどうしても患者は吐き気だったり、下痢だったりと言う内科的な症状を一番に気にしてしまう。流涙のことまでなかなか気が回らず、体調が落ち着いた頃にに眼科を受診するが、手遅れと診断されるパターンが多いそうだ。
私もまさにそのパターンだ。


流涙を治す唯一の道『ジョーンズチューブ手術』

内視鏡手術が途中で終了したあと、医師が『ジョーンズチューブ手術』について詳しく説明してくれた。
ジョーンズチューブ手術』が私に残された唯一の治療法だ。特殊なガラス管(ジョーンズチューブ)を目頭から鼻の中に留置することで、涙道の代用となる機能を持たせる。

抗がん剤による流涙で悩まされている人が受ける手術として有名だが、この手術を行える医師は多くはない。しかし、幸いなことに隣県でジョーンズチューブ手術を行う医師がいるので、もし希望するのであれば紹介状を書いてくれるとその医師は言った。

「ただすごくお薦めできる手術という訳ではありません」と医師は言葉を続けた。

まずは保険適用外の手術であるためすべて実費負担となる。また、手術をしたからといって、100%流涙がなくなるわけではない。ガラス管の脱落、埋没、位置の補正などの合併症が約50%に生じ、一生の通院管理が必要になる。いったん手術を受けたものの、ガラス管をいれた部分に違和感を感じてしまって結局除去してしまったりする人もいるそうだ。

話を聞いていると、いわゆる美容整形で鼻を高くするために鼻プロテーゼをいれるようなもので、一度いれてしまったら一生そのまま放置できるものではなく、その時々の症状によってメンテナンスは一生続くということのようだった。

流涙がなくなるというメリットを得るために、他のデメリットも引き受けなければいけない。すぐには決断できることではないので、紹介状を書いてもらうかどうかは、一旦家に持ち帰って家族と相談することにした。


今の結論

夫は「止めたほうがよい」とハッキリと言った。涙があふれ出すこと自体に、他の身体の部位に与える健康被害はないのだから、何もしないほうがいいと言った。長期間にわたって(一生)体に異物を入れておくことで、他の健康な部位にもいずれは悪影響が起きるのではないかということを心配していた。

私も夫が思う不安と同じことを感じていた。
家に帰ってから調べてみたが、手術自体は広く認知されており、数々の論文にはいきあたるが、実際に手術を受けて流涙が全くなくなった、経過は良好であるという声が全く見えてこない。
50%の割合で起きる合併症と共存する覚悟で受けるべき手術なのか、まだ決心がつかない。だから、実際に手術を受けてみた人の話を聞いてみたいなと思う。

流涙の症状が出てからもう一年が過ぎる。


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